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俺が世界を覆す!!

2003/03/31 (月) written by フォルティ大滝(映画ライター)

今までに見たことがない未体験アクション新世紀の幕が開けた!!スクリーンを切り裂く究極の戦闘武術ガン=カタ!!

この映画の描く世界では、国家による感情のコントロールが行われている。人間が犯す全ての争いの根源は、感情の起伏にあるとされ、国民は薬物により強制的に感情を抑圧されるという独裁政治が敷かれているというわけだ。こういうタイプの映画の場合、想像してしまいがちな強烈な社会風刺は、本作ではほとんど感じない(そもそもないのかも知れない)。映像的にも「未来世紀ブラジル」のようなセンスが伺えるが、いずれにしてもメッセージが主体で訴えかけては来ない、と思う。変わりに強烈なのは、新しいタイプの戦闘武術であるガン=カタを用いたアクション・シーン。この映画のために開発された武術というだけあって、その全容は斬新な衝撃に満ちている。

主人公は、国家反逆者を取り締まる第一級クラリック(聖職者)として公職につく、ジョン・プレストン。彼はガン=カタと呼ばれる武術の達人であり、日夜国家保全のために任務を遂行していた。ある時、反乱者の一人であるメアリーとの交流を通じて、感情を取り締まることに疑問を覚えるようになる。やがて、プレストンは体制側にいる自分の行動の過ちに気付き、償いと心の再構築を始めていくストーリーとなっている。そして、これまで抑制していた感情が一気に爆発したことを表すかのようなアクション、ガン=カタの殺陣が目にも止まらぬ勢いでスクリーンいっぱいに波動する。

とにかくガン=カタを繰り広げるクリスチャン・ベールが、今までに観たことのないくらいカッコいいアクションを披露する。全体的に細かい部分では、感情の抑制を取り締まっているわりに、プレストンの新しい相棒が妙にニタニタ笑っているのが気になったりと、つじつまの合わない部分がある世界観だが、そんなことは問題ではないと思う。ガン=カタという映画的に最高に見応えのあるアクションを披露する見せ場が存在しさえすればよいのだ。また、薬物による感情統制という筋立ては面白い。というのは、感情が解放され、決心がついた後の正しいガン=カタの使い方を始めたプレストンの宙を舞うような動きに、磨きがかかっているからだ。観ている方は、ガン=カタの魅力に感情を支配されてしまうかも知れないが。

感情を取り戻している事実を悟られないようにしつつ、その影響で任務を遂行できなくなっていくプレストン役、クリチャン・ベールの苦悩の演技が胸を打つ。ルックス的にもオールバックのヘアスタイルがこんなに似合う俳優を他に知らないぐらい整った顔立ちだが、我に返っていくにしたがって、感情的な表情をするベールの段階的演技力には目を見張るものがある。また、ショーン・ビーンが、短い出演ながらイイ味を出している。彼はこういった架空の世界を描いた映画が非常によく似合う。そして、反乱者のメアリーに扮するエミリー・ワトソンは、出番はほとんどない役ながらも、目で語る演技力で存在感は相変わらず強い。

自分の息子にですら、気を使って暮らさなければならない悲しさと息苦しさが同居した世界。物語の核心を上手く表しているプロットであると同時に、クリスチャン・ベールの芸域の幅の広さを見せ付ける瞬間でもあったように思う。また、プレストンが感情を取り戻してから気付いた人生観や、失ったモノの尊さを知るシーンの衝撃は計り知れないものがある。ただ、もう少し感情が抑圧されているエピソードや洗脳のシーンがあってもよかったと思う。ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「カンパニーマン」みたいなマンガチックで極端な世界観がもっとあっても良かったかも。はたしてハッピー・エンドであったかどうかは、考えさせられるモノがあるが、ラストのプレストンの笑顔には一見の価値があると共に、観た者の心に残るシーンのひとつになったのではないだろうか。ともあれ、ガン=カタを観るだけでも十分面白い作品である。

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映画生活より、「リベリオン」のマスコミ用プレスシート(非売品)を5名様にプレゼントいたします。

当選者数
5名
試写日
2050/03/31 (木)
締切日
2003/05/02 (金)

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